「グアアアアア!! 熱(あ)っつ!!」

「言っている場合か」

 後ろで転げまわるカーキーを無視して、今度は璃寛がアドロの目の前まで躍り出た。

「特A級の達人級(マスタークラス)カ……。どうせダから俺も武術で相手してヤるヨ」

 薄く笑って、アドロは回し蹴りを繰り出した。璃寛の右肩を狙った攻撃を左手で受け止め、その反動を利用して裏拳を叩き込む。しかしアドロはすでにしゃがみこみ、低い体勢の回し蹴りで足を狙っていた。璃寛はしゃがみこむ力を利用してアドロの足を蹴り上げる。一瞬ガードが外れたアドロの顔面へ蹴りを入れるがこれもかわされる。