「やっぱりそれか」

 笑みはいつしかため息になっていた。

「もう何を言っても無駄だろう。好きに暴れて来い」

“恩に切るぜ、帝(みかど)”



 瞬間、少年の炎の髪がさらに温度を増した。



「相変わらず、この炎扱いにくいな」

 少年は柔らかに、しかし強く微笑した。

「天皇(すめらみこと)の竜、いやネロ・メイル!」

 右手を大きく振った。地獄の業火が夜の闇を切った。

「テメェのその腐った魂、俺の炎で焼き尽くす!!」