所見では、年齢は六、七十台。頭は真っ白な白髪で覆われ、その髪に隠れた顔もシワだらけでシミだらけ。身なりもボロボロのシャツと黄ばんだズボン。その上に同じようなボロボロの布をまとっている。ワンカップを持つ手もシワだらけで、まるで今にも朽ち果てそうな枯れ木のようだった。
 だが、違う。
 男は決して老人と呼べるものではなかった。
 その眼はまだ、生きることに執着心を持った男の眼だった。

「おい、ジジイ」

 その孤独な男の元に、乱暴な言葉遣いとともに二人の青年が近づいてきた。

 枯れ草色のツンツン頭の青年、カーキー・フラットマンと、茶色のバンダナを頭に巻いた巨漢、弁財天(べんざいてん)璃寛(りかん)。