「そっか。お姉ちゃんがママとパパの所へ連れて行ってあげるからね。」


梨緒はまた首を縦に振ると小さな手で晶の右手をぎゅっと握った



晶はゆっくりと瞼を閉じた


視点がこの園内の上空に向かう

そして地上をよく見渡せる位置に移動した

高速で低空飛行している鳥のように園内の風景がめまぐるしく変わる





そしてある一点でその映像は止まった




紅葉とツツジに囲まれている通路にりおの両親がいた


心配そうに梨緒の名を呼んでいる


母親は大きなお腹を抑えながら周りを必死に探していた