至適彼氏

「ねぇ、心くん…。ドコ行くの?」


心細そうな仁菜の声。
緊張してるって、バレバレだぞ?


「付き合ってる男と女。ドコってもちろん決まってるだろ?」



俺はラブホテルの入り口を指差す。

その途端、イチゴみたいに真っ赤な顔になり慌てる仁菜。
いつ見ても、その反応面白い。
だから止められないんだよ。
つーか、もう遅いだろ。



ぎゅっと俺の手を強く握る仁菜。
真っ直ぐに、澄んだ瞳で俺を見る。

なんだよ。




「あのね…、初めては…心くんの部屋がいい…。」



俺にしか聞こえないような、消え入るような小さな声。
頬は赤く染めている。
潤んだ瞳。


そんな顔して、そんなこと言うなんて反則だろ?