理由はさっき言った通り、女を道具とでしか思っていないから。でも、パパは別。あたしを本当に愛してくれてるって知っているから。



「離れてって言ってんでしょ、馬鹿っ!!!」



と抱きついてきた腕をギュウッっと力任せに摘んだ。


「い、痛ってぇー!!何すんだよ〜、蒼依ちゃん。冷てぇ」


「うるさい。いい加減にしてよ…!!!何度抱きつくなって言ったら分かるのよっ!」


「蒼依ちゃん酷ぇ〜…。んだけど…分かってるよ♪愛情の裏返しだろ?嫌よ嫌よも好きのうちって………痛っ!!!!」



あまりにも馬鹿発言をするもんだから、さらにギュウッともうひとつ。

案の定、痛みからあたしに抱きついていた手が離れていく。溜め息を吐き、馬鹿男をキッと睨みつけるた。
だけど



「ん?何、何ぃ〜?蒼依ちゃん俺を見つめちゃって♪惚れちゃった?」



この勘違い野郎!!!

一回頭殴ってあげましょうか?そのカラっカラの脳みそも少しはマシになるんじゃない?


わなわなと込み上げてくる怒りを押さえながら睨む。

あたしがあんたなんて好きになるわけないじゃない。あたしは男がキライなの!!特にあんたみたいにヘラヘラしながら、「好き」って言う奴は特にキライよっ!!!

馬鹿男に付き合ってられないので、無視してそのまま教室へと戻った。



「蒼依ちゃん好きだー!!!」



後ろから叫び声が聞こえてうるさいけど…。