靴はひとりでに動き出し、どこかへ走って行ってしまいました。 少しして戻ってきた靴が蹴りながら運んできたのは、桶いっぱいに入った暖炉の“すす”でした。 カーレンが靴の意図に気付くより先に、赤い靴は黒い靴や他の靴に、すすをかけて真っ黒にしてしまいました。 「まあ!なんてことを!」