「カーレンや、それは黒い靴かね?」 目の悪いおばあさんは訊きました。 本当はカーレンも嘘はつきたくありませんでしたが、こうでも言わないとおばあさんは帰ろうとしないので嘘を言います。 「そうですわ、おばあさん。 ちょっと赤みがかった、黒と言えば黒に見えなくもない、でも赤じゃないか?と言われたらそうかもしれない、でも心の目で見るとやっぱり黒色の、 黒い靴です。」 だんだんカーレンにも悪知恵がついてきたみたいです。