ピリリリリリリ… 希穂の部屋に、あたしのカバンの中から着信音が鳴り響く。 「でんわ。ちょっと待って~」 「あいよ」 そう言いながらカバンの中をあさくって、携帯を見つけると、すぐに通話ボタンを押した。 「もしもし?」 『お母さんやけど…あかり?今どこにおるん?』 「希穂んちおる」 『そう…ごめんやけど、大事な話あるから帰って来て』 あたしは希穂の顔を見て、苦笑いをした。 「え~…帰ってからじゃいかんの?」 『うん。今から。希穂ちゃんには悪いけど』