「あかり!ご飯よー」
下から自分を呼ぶ声にやっと気づく。
重い体を起こして、自分は寝ていたんだとやっと気付いた。
ゆっくり階段を下りた。
こんな表情見たら、親も困るだろうな…
階段の途中であたしは自分のほっぺを軽く叩いた。
無言でリビングに入って、さまざまな種類のおかずが並んだ机に座る。
しばらくして、母が切り出した。
「言ってなかったけど、あと一週間後に行くからね」
ずっと下に向いていた頭を、はっと上に上げた。
「え!?早すぎやよ」
「やけど、もう時間無いから。自分で部屋の荷物はまとめといてね」
母はそれだけ言うとあたしから目をそらした。
