「…転校って、どこに…?」 色んなことを考えても、一番聞きたいのはそこだった。 「あ、東京よ」 「えっ…」 まさかの大都会だった。あたしは固まる。 あんなにさっき…夢見てたのに… こんな急なことって、あるの? やっぱりカモメのせいだ…そうに決まってる… 母も父もあたしが理解するのをじっと待っていた。 「えっ、じゃあ、学校も変わるってこと?」 「当たり前でしょ。東京の人数の多い中学校よ」 母は誇らしげにあたしに中学校のパンフレットを見せた。