そんなどうでもいいことを思い出しながら、アタシは校長室に向かった。


「失礼します。」

あぁぁぁぁ!

アタシが中学校だったときの校長先生が、ニコニコと健在していた。

パクパクと口を開けているアタシに、校長先生は優しそうに微笑んだ。

「小野寺中学校の卒業生、木山凛(キヤマ リン)先生ですね。」


『先生』


その響きが嬉しくって、あんまり校長先生の話は聞けていなかった。