「高橋先生、木山先生。ちょっとこちらへ。」
あ、ヤバい。
校長室の入り口でアタシたちは、なにやってんだろう・・・・・・。
「高橋先生、覚えていませんか?木山先生のこと。」
校長先生は優しそうな微笑みを浮かべた。ほんと変わんないなぁ~。
っていうか、校長先生の記憶力すごくない!?
「・・・・・・は?」
先生~・・・・・・。
そ、そこまでいわれても思い出せないの!?
そんな先生の様子に、校長先生も苦笑い。そりゃそうだよ・・・。
「高橋先生は今からちょうど10年前に、木山先生の担任を受け持ったんですよ。」
うぅ・・・今にも泣き出しそうなアタシの言葉を、校長先生が代弁してくれた。
アタシが必死な目で先生を見ていると、先生もギョっとしたような顔で振り返った。
「・・・・・・・・・・・・。」
長い長い沈黙。
やっぱり覚えてないのかい!!
