ズバッ!!
 
「ぐわあっ!!」
 
悲鳴をあげたのは、覇王の方だった。
 
その手には、ざっくりと槍が突き刺さっている。
 
「手元が動かないんだよ。お前の剣はな」
 
「ぐっ!?」
 
素早く後退し、覇王は傷の辺りに手をやった。
 
傷の修復――
 
「富吉さん!!奴は傷を治すつもりだ!」
 
「わかってる。だから、僕が出てきたのさ」