槍を腰の辺りに据え、俺はゆっくり深呼吸した。
 
小太刀にとらわれてはいけない。
 
見るのは全体だ――
 
「やけに冷静だな?だが、それは果たして真に冷静なのか?それとも……虚勢なのか?確かめてやろう!」 

黒龍は一気に俺の目の前に飛び込んでくる。
 
槍を振る暇すら無かった。