壁を破り、飛影は民家の中へ――
 
「君たち、偽物とは言え、よく飛影を倒したね?褒美をくれてやろう……」
 
身の丈ほどある斧を背中の鞘から右手で引き抜き、男は左手に唾をはいた。
 
柄はかなり太く、一メートルほどの長さをしている。
 
あんなものを振り下ろされたら、一溜まりもない。
 
「真田幸村よ……我々を探った罪だ」
 
両手で斧を持ち、男は重たい声でつぶやいた。