「こっちよ!」

黒い装束に身を包んだ妖精騎士ファルキュリアが、羅扇の背後に降り立って戦闘体制に入る。


「ちっ、
アタイの後ろを取るとはね。
ノーブラのくせに!」

「ノーブラは余計よっ!」

蜂姫は30センチ程の黄色い、透明感のある針状の武器を両手に1本ずつ持って構えた。


羅扇は笑みを浮かべながら、蜂姫に言い放つ。

「アタイの狙いはアンタ達じゃ無いのさ。
今、気絶した子猫ちゃん……
その娘を封印界に連れて行くことが、アタイの任務さ!」


(それがココに現れた理由…
でも何故さゆりさんを?)

那由は羅扇をキッと睨み、

「理由なんて関係ない。
この人は……
何があっても私が守る!」


那由の身体が光り、ボロボロのワンピースを弾き飛ばした!

やがて光が消えて、そこに居た那由は…


クレオパトラを連想させる、エジプト風の艶やかな姿。

背中には鷲や鷹のような猛禽類の翼。

眼が描かれたピラミッド状の飾りが先端に付いた杖。

……時の女神ラシス!

「来なさいっ、羅扇!
ファルキュリアと私が、貴女を倒す!」