「バカ、やめろっ!」


パシ


俺の叫びも虚しく、透徹は殺封刑を手に取ってしまった!
あの火だるま野郎ぉっ!!


舞炎がニヤリと笑う。

「言い忘れたけどネ、その剣には主の呪いがテンコ盛リ。
持った者の意識を変えちゃうノサ。
…『凶の配下』としてネ」


「ぐあぅをおおおおおっ!!」


殺封刑から透徹の身体に赤い狂気が流れてゆく!

苦悶の絶叫を上げる透徹…
やがて叫び声が止まり、透徹は立ち上がった…

紅く染まった身体で!!


「ウウウウゥ…
マジン…
ウノサスゥゥゥ…」

駄目だ、正気では無い!
意識を乗っとられてしまったのか!?


「くそっ!
急げ破天虹っ!
奴の剣を折るんだ!!」


ビュイイイイイイイイイイイイィン!


俺が半ば投げ付けるようにして伸ばした破天虹は、透徹の身体に届く直前で激しい赤いスパークによって弾かれた!

「くっ、バリアか!?」


「さァ、水晶の虎クン。
魔神をバッサリと殺ってしまってくだサイ」

透徹は舞炎の言葉にコクンと頷き、殺封刑を抜き取った。
そして………


シュ


消えた…!!

「どこだ!?」

俺が反射的に振り返ると……


「なっ!?」

既に背後には透徹が!


シュゴオオォッ!


そして轟音とともに、殺封刑が俺に向けて振り下ろされた!!