舞炎は透徹の足元に一本の剣を投げた。


ジャツッ…


コンクリートの床に突き刺さった剣は、見るからに凶悪なデザインをしていた……

「私には、この純幽晶がある。
余計な手出しはやめてもらおう!」

「その剣………
『殺封刑(さっぷうけい)』を持つとネ、凶結界の影響を受けなくなるんダヨ。
つまりネ、今なら弱った魔神を簡単に真っ二つにできるのサ!」

この野郎、余計なマネを…


「さァ、どうスル?
魔神を殺したいんダロ?
選択の余地は無いと思うけどナ」

ただでさえ苦戦してるってのに、これ以上パワーアップさせてたまるか!

「透徹!
剣士の誇りがあるのなら、自分の剣で戦え!」


「…うるさいヨ、銀蝿」

舞炎は俺に向けて火球を飛ばしてきた!
避ける力が…無い。


バモウオゥッ!!


「ぐふうっ!!」

強烈な一撃を浴び、俺は燃えながら真っ逆さまに落下した。


(ぐっ…くそっ!)


ブワッサアァッ!


俺は身体に残ったありったけの神気を込めて翼を更に広げ、


ギュウウゥゥイン!


キリモミ飛行で上昇し、火を振り払った。


!!

空高く舞い上がった俺の目に映ったのは、今にも殺封刑を掴もうとしている透徹だった!