………


「じゃ、今日からウチのクラスに入る転校生…」

先生の紹介の言葉が終わらない内に、今朝の銀髪の子が入って来て、

「春霧蜂姫
(はるきりはちめ)
っで〜っす!
みんな、ヨロピクにゃ!」


…この子とディノウンの婚約に至るまでの経緯を知りたい。
まるで正反対だ。

いや、だから逆に相性が良かったのか?

それにしても…
(こいつ、何で俺のクラス?)


「じゃあ春霧の席は…
白月の隣だな。
春霧、白月と仲良くな」

さゆりの席の隣か。
さゆりは面倒見が良いから、大丈夫だろ。


昼休み…
蜂姫に色々と聞きたいことがあったが、他の男子生徒が蜂姫を囲んで質問攻めにしていたので、

(こりゃ話すのは無理だな…)

と思っていると、


(ウノサス、聞こえる?)


頭の中で声がした。
俺をウノサスと呼ぶのは、今は一人しか居ない。


(ファルキュリアか?)

蜂姫を見る。

相変わらず男子に囲まれて質疑応答に急がしそうだが、俺の視線に気付くと、朝の時のように軽くウインクした。


(人間がテレパシーと呼ぶ能力よ。
いい?
そのまま聞いて。
今の解放界は、凶結界と同化しつつあるの)


凶結界………
ディノウンも去り際に言っていた言葉だ。