「いや、凄いと言えば凄いが…
凄くないと言えば凄くない。
こんな短い剣で戦うのか?」


『剣の長さなど関係ない。
この剣は、対ファビス専用に作られた剣。
この真の力は…』

ゼストが巨大剣についての説明をしていた時、俺は重要なことに気付いた。

「この剣で…
まさか特攻する気か?
使い方は、それ以外考えられないのだが…」

俺の質問に、ゼストは首を振って答えた。

『いや。
この剣「ヴィマナカリバー」は、ちゃんと普通に武器として扱える物だ。
ただし…』

ゼストは顔を空に向ける。

『この剣を完成させるためには、俺の神核が必要だ。
俺が融合して、初めて真価を発揮する仕組みなのだ。

俺の、鋭神の称号は…
そのためにある』


鋭神ゼスト………

貴方は、剣となるためだけに存在する神なのか…


古き神々も残酷なことをする。

ゼストはファビスの封印であると同時に、ファビスをが復活した時のための武器となる宿命を背負わされていたのだ!


『どうということでは無い。
既に俺は、その覚悟を持って封印界に残ったんだからな…

いつか、お前のような若き神が現れ…
神と凶の因縁に決着をつけてくれる時を、俺は待っていたのかも知れん』