「それで、鋭神ゼスト。
今から我々の取るべき行動を聞かせてもらおう」

リ・シュウがゼストに尋ねる。

『まず、ヴィマナディアのモードを変更する。
巡航形態を解除し、戦闘形態に移行するのだ』


「戦闘形態?」

俺は反射的に白楼斎を見た。

「いや…
ワシも初耳じゃて。
長年この船は、神々の移動手段としてしか使われなかったからのぅ。
ヘタな操作をして、壊してしまってもつまらんしの」

「あるいは古き神々の中でも、極秘の扱いだったのかも知れませんね」

『その通りだ。
この秘密を知っている者は、古き神々の中でも少なかった。
今となっては、もちろん俺だけということになる』

ゼストは甲板にあるレバーを引き、操作盤のような装置を出現させた。

『よし…
戦闘形態に変形させるぞ!』


ウイィィィィン…

ガコン、ガコン、ガコン!


「すげェ…!!」

ルシヴァナが感嘆の言葉を呟くのも無理は無い。

ヴィマナディアの前半分が、巨大な剣の形になったのだ!

ざっと見積もって、刃渡りは数十キロメートル…


しかしそれでも、ファビスの身体に対しては短刀ぐらいの大きさしかない。