『待てぃ、若き神々よ!』


俺達の前方に霧が掛かり…
それが霞、そして雲に変わり、その雲の中から一人の神が現れた。

背筋はしっかり伸びているものの、その声や雰囲気から老人であることが分かる。


「御老体…」

ディノウンが呼んだ。


「ジジイ…」

ルシヴァナが呼んだ。


「師父…」

リ・シュウが呼んだ。


結局…
彼は誰で、何て呼んだら良いのかサッパリ分からない。


「ウノサス、久しいのぅ。
…とは言っても、オヌシはワシのコトを覚えとりゃせんじゃろ?

ワシは神帝代行を度々任されておる神界丞相であり、また代々の神帝補佐を務めておる神界一の重鎮としても知られておる神でもあるが、ワシの本来の役割は…」


チャ…


「ジジイ…
手短に、な。
こう見えて、俺達も意外と忙しい身でな」

ルシヴァナの槍が、老神の喉元に突き付けられた。

「この方は神帝の相談役…
神界丞相・白楼斎(はくろうさい)です。
神界で最も古い神で、そしてリ・シュウの師匠でめある大龍神です」