『逃げても無駄さ!』


ゴブワアァァッ!!


シントは口から気味の悪い音と共に触手を大量に吐き出し、宙を舞う俺に向けて伸ばしてきた。

「うぇっ、気持ち悪い!
くそ、触りたく無いが…

神技・魔剣独楽
(しんぎ・まけんごま)!!」

俺は破天虹と砕鋼峰を両腕から出したまま、左右に広げた状態で高速回転!


ドブシュウオオッ!!


剃刀の渦の軸となった俺は、シントの触手をフードプロセッサーのように切り刻みながら破片を撒き散らす!


しかし…

「くそ!
この触手、斬っても斬ってもキリが無いぜ!」


『ならば魔神…
斬らずに切ればいい!』

足元から透徹の声。

見下ろすと、神雷萬衝の形状が変化している!


ジャキイィィン!!


あの形は…
もはや剣では無い!

ハサミ!!

しかも刃はギザギザでノコギリ状、普通のハサミというよりは裁縫で使うピンキングバサミのようだ。

あれで挟まれたら、かなり痛いだろうな…