「!!
貴方が皆を…きゃっ!!」


シュルルッ!


シントは左腕を無数のツタ状の触手に変え、ラシスの四肢に絡み付かせた。

『君には利用価値があるからね、まだ殺さないよ…

時の女神には、ボクの子供を産んでもらう。
凶と神の力を受け継ぐ、新しい存在となる子をね…』

「っ!?」

更に触手に変わったシントの右腕が、地面を這いながらラシスに近付く。

足元にたどり着くと、身動きできないラシスの白い脚を登り始めた。

『痛くないようにしてあげるからね…』

(ウノサスっ…!)

ラシスの目から、一粒の涙が落ちた時…!


ビシュッ!


一陣の風が両者の間を吹き抜け、シントの触手を切り捨てた!

『ち、まだ神の仲間が?』

「このエロガキが…

お前は、俺が直々に成敗してやるから覚悟しな!」

切れたトカゲの尻尾のように、体液を撒き散らしながらのたうち回るシントの触手を踏み付け、風と共に現れた者がシントに向き直る。


輝きを放つ神々しい姿…

大胆で不敵な言動…

そして圧倒的な存在感!


『ま…まさか!?
お、お、お前は!?』

身体に巻き付く触手を振り払いながら、ラシスも息を飲んで黄金に輝く者を見て…

そして叫んだ。


「し…神帝!!?」