カミをホフるモノ…だと?


ぐ、俺の炎の身体が…
燃えたまま凍らされる!

コイツの凍気は、俺の熱気を上回っているのか!?

『ボクの仕事はファビスの心臓を守るコト。

どうだい?
絶対零度以下の温度で凍らされた気分は?」


ピキ


俺の顔を掴む力が増す。

凍った俺の頭にヒビが入る音がした…が、氷の彫像と化した俺は指一本動かすことができない。

痛みも感じない…


『これから自分がどうなるか、想像はつくだろ?

じゃあね。
神核も一緒に粉々になるだろうから、復活は期待しないようにね』

シントは掌に更に力を加えた。


ギギギギギ…

ピキ
ピキパキパキ…


顔面から首、胸…
やがて腕へ足へと、ヒビは俺の全身に渡り走って行った。

(さゆり………)

そして、


パキイィィン!


小気味よい快音を響かせ、俺の身体は氷の粒となって粉々に砕け散った。


それはまるで、枯れた街に季節外れの雪が降るような光景だった………