「!!
もしかして蜂姫や那由が動けなくなったのは、さゆりにパワーを吸い取られたからなのか!?
でも、何のために…?」


『それはファビス様に、より強力な支配者となって頂くためだ。

解放界と封印界を融合した、我々の新しい世界・凶烈界(きょうれつかい)の王・最凶神として復活させる。
その準備ために、心臓は自ら糧を喰い始めたのさ』

「!!?」


突然の背後の声!

その声の主を確かめようと振り返った瞬間、俺はいきなり顔面をワシ掴みにされた!

『遅いよ。
君の力は既に知っている。
ボクには勝てないよ』


ギギギ…


顔が握り潰されそうだ!

(くそ!
何者だ、コイツ…
逃げ出さないと!)

「イグニッション!」

俺は神の炎を身に纏い、炎のモードで奴の腕を焼こうとした。

が…

『へぇ…
魔神の炎って、この程度?
じゃあボクも』

奴は俺の顔を掴んだまま、自分の体温を急激に下げ始めた。

『そうそう、自己紹介がまだだったね。
ボクは凶王ファビスの分身とも言える存在…
そして君達が倒した伍凶将の力の集合体でもある。

名はシント。
自称・神を屠る者、さ』