目の前で次から次へと起こる非常識な展開に、本来ならツッコミを入れるべきなのだろう。
勝手に俺を巻き込んでるし。
だが………


(魔神………
ウノサス………?)


初めて聞く言葉………?
知らない…ハズだ……が…
どういう訳か、その名を聞いた瞬間から頭痛がする…


魔神……

凶…………

封印界…

妖神………

解放界…………っ!!


うぅ、何だ!?
頭が割れそうだ。

俺は、これらのキーワードを知っている…のか!?


「う…うぉおおおっ!!
頭が…身体が………
焼ける……っ!!」

全身が燃えているようだ!


ドクン
ドクン
ドクン……

ドクドクドクドクドク…


異常な事態に鼓動が速まる。
そして…………


「眠っていた記憶が呼び覚まされたようですね。
始まるのです!
『神化(しんか)』が!」

ディノウンが叫ぶ。


(…シンカ、セヨ…)


頭の中で、誰かの声が聞こえたような気がしたその時……

俺の中で何かが弾けた!!


さっきまでの夕焼けが嘘だったかのように…

いつの間にか空は雷雲で覆い尽くされており、突然バケツをひっくり返したような豪快な夕立ちが水煙をあげて降り注ぐ!

雷鳴の轟を合図に、狂った暴れ竜のような稲妻が何本も地上に叩き込まれ、その地響きが足元を揺るがした。