「とにかく今後の対策を考えましょう。
私達が仲間割れをしても仕方が無いわ」

那由の言葉に、一同は重く頷いた。


さゆりは一体どこへ行ったのか、ファビスの心臓はどこにあるのか…

そして、ファビスを倒す方法は…?


「俺達の総力を挙げて、一か八か、ブチ当たってみるか?」

ドウジらしい意見だ。

ドウジとは、ルシヴァナの人間体の時の名だ。

久々だから「ドウジって誰?」とか言われそうだな。


しかし奴の力が分からない以上、策も無く不用意に手を出すのは自殺行為だ。

「せめて、凶王の心臓部を見つけ出せればな。
そこに一点集中攻撃をかけるという手もあるが…」

そう言うのはリ・シュウの人間としての姿、エンマだ。


…??
今、エンマは何て言った?

ファビスの心臓部…?


ひょっとしてファビスの心臓の話を知っているのは、この中で俺だけなのか?

「ちょっと皆、聞いてくれ」

俺は頭の中で見た神界での記憶の内容を、皆に話した…