「破天虹ぉっ!!」

俺は天空の魔剣・破天虹を取り出すと、飛行する勢いで威渦鎚に向けて斬り込む!

当然ながら威渦鎚のスピードには及ばず、破天虹は空を斬る…

「まだまだぁっ!」


ピキュイィィン!


今度は破天虹を10メートル程に伸ばし、速さで劣る分を距離でカバーしようとしてみた。

破天虹は所持者の力によって果てしなく伸びる剣。

しかも、どれだけ伸びても重さは変わらないのだ。

だから剣を振る速度も、長かろうと短かろうと変わることは無い。


ブオゥン!


半端に伸ばした破天虹では、まだ追い付かない。

「なら更に伸ばす!」

…それを繰り返す内に、いつの間にか破天虹は何キロもの長さにまで達していた。


「これだけ伸ばしても追い付かないか…

なんてな!」

『…む?』

威渦鎚は戦いに集中していて気付かなかったようだが、俺達の足元には雲海が広り、眼下を覆い尽くしていたのだ。