『神』?
『凶』…?
『封印界』……?

この騎士は何を言ってるんだ?

そもそもこの御時世に騎士が存在し、それが日本語を喋っているのも理不尽過ぎる。


「か、神が…
世界の監視者が現れたか…
しかも、よりによって『妖神ディノウン』に出くわすとはなぁ!」


妖神ディノウン………
それが騎士の名前か。

そして『凶』と呼ばれたバケモノの態度からして、この妖神ディノウンはかなり有名で…
かなり嫌われているようだ。


「チイッ…
実体を棄てて、封印界に一度戻るしかねぇか…
何も収穫無しとは俺様も堕ちたモンだぜ。
…だがなぁっ!」

凶は俺の方を向いて、殺気を剥き出しにしてきた。

「この人間は頂戴するぜぇ!
流石に手ブラで帰れねぇからな、我らの主への生け贄としてな!!」


主…

凶というのは何人も居るというのか?

しかも主と呼ばれる者が居る…

ということは個体意志による活動では無く、組織…
いや国家か一族、あるいは眷属か…

主とやらの思想に従って活動しているというのか。