プラム

娼婦。




あたしはこの仕事上での自分の呼び方を気に入っていた。
求められるのは体だけ。
なのに、誰もが出来る職業ではないと思う。

ヘルスやソープで働くよりはリスクが大きいけれど店を通していない分だけ稼げる。
実際、「売女」と罵られた事も、殴られたこともあるけれど、そんなの一握りの出来事だった。



運がいいなとつくづく思う。




そう考えると小林さんは本当にいい「お客様」だ。

何よりあたし自身を気に入ってくれているから、決して無理なことを強要したりしない。





「こんにちわ、小林さん。」

当たり障りのない挨拶をした途端、彼はあたしの手をとり車に乗せた。




行き先は分かってる。



2年前にリニューアルした、外観だけは綺麗なラブホテル。