プラム

電話を切った後、軽くシャワーを浴びて化粧をした。





シャーベットはもう完全に溶けている。

冷たいままが好きなのにな、とうんざりしながらドロドロの液体をキッチンに流して家を出た。





小林さんとの待ち合わせ場所までは、歩いて10分。
とにかくゆっくり歩いて、彼が来るのを待った。


またしても太陽に肌を焼かれながら、あたしって学習能力がないなと思う。




だからちっとも前に進まない。
人生が、っていう意味で。






大きな通りからひとつ中に入った路地で、小林さんは待っていた。



「梨香ちゃん!!」

満面の笑みで手を振る彼に、あたしも手を振りかえした。