背中に腕をまわされて引き寄せられる。 爽のにおいに包まれた。 「……ごめん、なさ…」 「謝んな」 だいすきな、爽の声。 「俺、自分に今すげえムカついてんの」 目も鼻も口も髪も 爽のぜんぶが、すべてが、すき。 「守れなくてごめん」 ―――だいすき。 「俺だって、離したくないから」 そう言って、爽の腕の力が少し、強くなった。