驚いて、顔をあげてしまった。
「……別に、愛に怒ってるわけじゃねーから。ビクビクすんな」
そう言って頭を撫でる。
泣きそうになる私を抱きしめてくれた。
「……爽…」
「ん」
「きらいに…なっちゃ、や……」
「……なんでそうなるんだよ」
「だって…キス…されたから…っ爽、私のこときらいに…」
「なんないから」
少し体を離して、額をくっつける。
顔がすぐ近くだ。
目があって、爽が微笑む。
「……俺は、何があったって愛が好き」
爽がメガネを外して、あいだを隔てるモノはなくなって。
漆黒の瞳に誘われるように、キスをした。


