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部屋に戻ったら、玄関のドアに押しつけられた。
「……愛」
睨まれてる。
怒ってる。
目を閉じたら泣いちゃいそうだけど、でも目の前の爽の顔を見ることもできない。
仕方ないから、うつむいた。
「……あの……ごめん、なさい…」
「………なんで謝んの」
だって、私がキスされたから、爽…怒ってるんだよね?
「……爽、怒って、る…」
「怒ってるけど」
「……だから、ごめんなさ…っ…」
―――ちゅっ
私の言葉の途中、小さなリップ音。
(……………え?)
爽が、うつむく私の額にキスした音だった。
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