「……っんンッ!!」
ハエバルが私の体を強く抱きしめたから身動きがとれない。
息が、できない。
くるしい。
酸素が足りなくなって、私の瞳に涙が滲んできたころ、ハエバルの唇が離れた。
「っふは……ンッ!!」
息を吸うために開かれた口から、あたたかい、ハエバルのそれ。
絡んで、吸って、動く。
すると、一瞬離れて、ハエバルは笑って言った。
「爽さん以外のオトコのキス、どうですか?」
―――爽以外のヒトと、キス。
「や、め……ッ」
「やめません」
また塞がれた唇。
涙が流れた。
前も1回されたけど。
あれは触れたか触れてないかわからないぐらいで。
こんなのじゃない。
「愛さん、好きです」
こんな恋人同士みたいなキスじゃない。


