「あのねー、このコ、南風原燎くん」 アサミさんが紹介をはじめる。 みんなの視線がハエバルに注がれた。 「ハエバル?」 「そ。南に風に原っぱの原って書いて南風原。ヘンだよねー」 「えーどんな関係ー?」 ひとりが聞くと、アサミさんはハエバルの腕に自分の腕をからめて言った。 「あたしの昔のオモチャ♪」 ―――その語尾の上がり具合が、イヤになるぐらいハエバルにそっくりだった。