数分歩いて、落ちついた私はハエバルのほうを向く。
「……ハエバル」
「はい?」
今日わざわざついてきたのは、聞きたいことがあったから。
「ハエバルは、なんでペットになりたいの?」
暗くてハエバルの顔がよく見えない。
だけど、足がとまって、戸惑っていることはわかった。
「…………いきなり何ですか?」
はは、と微かな笑い声。
「ペットじゃいけません?」
「……そうじゃなくて。なんで、ペットなの?」
「理由なんてないですよ。ただ、俺を飼って………」
ハエバルの言葉がとぎれる。
私は、続けた。
「無条件に、愛してほしい?」
ハエバルが息をのむ音が、聞こえた。


