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暗い夜道を並んで歩く。
「やっぱ爽さんかっこいーですねー」
隣でハエバルが言った。
真顔でそーいうこと言うなハエバル。
確かに爽はかっこいーけど。
「愛さんもそう思いますよね!」
「…………まあ…そう、デスね」
「…………ナチュラルに照れないでくださいよ恥ずかしいじゃないですか」
あは、と笑い声をもらす。
…………だって恥ずかしいじゃんか。
「爽かっこいー」とか口に出さなくても爽はかっこいいんだしいいじゃんか!!
私が顔を真っ赤にさせていると、ハエバルはクス、とまた笑う。
「かわいいですよね、愛さんは」
「………は!!?」
私の頭に手を置いて、撫でる。
「かわいいかわいい」
「……………私が主人じゃないの」
「だぁーって愛さんかわいいんですもん」
ぐわぁ!!
だからこいつはなんでこう恥ずかしいことを真顔で言うのって!!!
赤い顔を見られたくなくて、早足で歩く。
そうすると、ハエバルはゆったりと私の後ろを歩いてきた。


