「そうですよ、俺、どっちかっていうと爽さんのほうが好きですもーん」
「………気持ち悪い」
ここまで爽の顔を歪めさせられる人はなかなかいないだろう。
やっぱりハエバルは悪い意味で偉大だ。
―――――――
「………で、結局オマエはどうすんだよ」
「え、だから愛さんに俺のご主人様になってもらいましたから、ここに住みます」
ああもうそれは過去のことなんですね。
もうすでに私はハエバルのご主人様なわけですか……。
「愛に他人を躾する余裕はないんだけど」
「あは、ですよねー。今は爽さんとスルほうが先ですよね」
「………………」
にやけたハエバルの顔に、爽の手が伸びる。
頬を思いきりつねった。
「ぁいたっ!!ちょ、爽さん痛いっ」
「痛くしてるからな」
「何でですかぁー」
「オマエむかつく」
ハエバルのあまり肉のない頬をつねる爽の顔は、予想以上に不機嫌。
…………怒ったときの爽は、何言い出すかわからない。
「つーかこいつがココ住むんだったら俺も住む」
……………ほらね。


