なにも言わないから、まだ怒ってるんだと思った私は、爽から離れようとした。 「……え、」 だけど、爽の手が私の腕を掴んだから、だめだった。 「…………爽?」 「怒って、ない」 え? 私のほうを向く。 濡れた瞳に捕らえられた。 「………昨日、一方的すぎたと思って」 冷えてつめたい手が優しく私の頭をなでる。 「ごめんって、言いにきた」 そして「悪かった」ってつぶやいて、悲しそうに笑った。