春です。 出会いと別れの季節です。 ―――――― 「あのね、今日入学式なんだー」 寮のベッドで爽に電話をかけた。 朝だったけど、ちゃんととってくれた。 『愛が3年かよ。大丈夫?』 「なにそれ」 『別に?心配してるだけですよ』 「嫌味くさい!」 爽は卒業して、有名な大学に入るらしい。 頭、いいからなぁ。楽勝だったって。 それで、私はというと、いたって普通。 寮の部屋に爽がいなくなったこと以外は。