「なんやろなー、気持ち的にトクベツやねん。ちゃんと幸せになってるか心配したりな」
ぽん、と櫂の手が頭に置かれた。
見上げれば、あの笑顔。
「まあ、それは爽がいるし。大丈夫やろ」
そして「な?」って頭を軽く撫でるから、
私は大きくうなずく。
それを確認して、櫂は手を離した。
「櫂は、皐月と……幸せになってね」
涙目になりながら言うと、
「おう。じゃあ、絶対そうなるって、約束な」
櫂は小指を出した。
――指を絡めて指きりをして。
私に背をむけて、笑顔で皐月のほうに向かう櫂に
私は「じゃあね」って手をふった。


