「あの……すいません」
そのとき、後ろから控えめに肩をたたかれた。
ふりかえると、背の高い美人な女のひとが立っている。
(……だれ?)
見覚えはない。
女のひとは桃色の唇を引き立たせるように微笑んだ。
「はじめまして、愛ちゃん」
「……は、はじめまして……」
はじめましてで『愛ちゃん』……。
そっちは私を知っているようだ。
「ちょっとそのドレス見せてもらっていいかしら?」
そう言って、私の全身をじろじろと眺めはじめた。
時々顔をしかめたり、小声でなにかを言っている。
『まったくあいつは』
『ここはこうやろ、あの阿呆』
………関西弁?
ってことは、もしかして……


