それからなにも言わなくなったハエバルを見て、爽は手を離した。 ハエバルの体がやっとまっすぐになる。 「嘘」 そうやってひとこと言えば、ハエバルは首をふった。 「嘘じゃないです」 「……バカじゃねーの?」 爽が馬鹿にするように笑った。 その瞬間、ハエバルが爽の胸ぐらをつかむ。 そして 「俺は愛さんが本気で好きなんですっ!!」 隣の部屋に聞こえてしまうんじゃないかという大声を出した。