意味がわからないといった顔で見上げれば、笑顔のハエバルと目があった。 口元だけが笑っている。 「昨日はすいませんでした」 眉をさげて、同時に頭もさげる。 執事教育のせいか、きれいな直角を描いた。 そんなにされるとなんだか困る。 「…ハエバル…顔、あげて」 私がそう言うと、ピクリと動いて、頭をあげようとした。 だけど。 「……謝ればいいとか思ってねぇよな?」 爽が、ハエバルの黒髪を押さえつけた。