「こんな俺だけど…」

見たことのない不安そうな瞳に、胸の奥がきゅーんとなって。

自然と伸びた私の腕は、そのまま飛田さんの頭を包みこむようにして抱きしめていた。

私の胸元で小さくなっている飛田さん。

なんだかすごく愛おしくて。

ドキドキしている私の鼓動、絶対に聞こえているはず。

いつもよりも早く動いている心臓は、飛田さんを好きだって思っている証拠で。

「飛田さん、私、飛田さんのこと好きです」

私よりも14年も長く生きているんだから、私よりもいろんな経験しているはずで。

隠さずに話してくれたことが嬉しい。

「話してくれて、ありがとうございます」

自分の正直な気持ちをそのまま伝えると、そっと私の胸から顔をあげた飛田さんと目があった。

「佐智子ちゃん、ありがとう」

ゆっくり近づいてくる飛田さんの顔に、そっと目を閉じる。

ふんわりと重なった唇は、徐々に熱くなっていって。