Memories - 年の差恋愛 -

「佐智子ちゃん、のぼせない?」

「のぼせそう、ですよぉ」

泣きそう。

緊張しすぎなのと、恥ずかしいのとで、のぼせそうなのか泣きそうなのかよくわからないよぉ。

すると、飛田さんの両手が私の脇の下に入ったかと思うと、どぼん、と湯船から抱きあげられてしまった。

洗い場で、変わらず私の後ろから器用に泡立てて体を洗ってくれるんだけど。

直接肌に触れるか触れないかの感触が、なんだかとても恥ずかしくて。

「じ、自分で洗いますよ」

背中から始まってその手が徐々に前へきて。

耐えきれずに、飛田さんの手を掴んでその動きを止めてしまった。

「そう?最後まで俺が洗ってもいいんだけど?」

後ろから聞こえてきた声は、なんだかすごく楽しそうで。

「いいです!自分でやりますから!」

泡のたくさんついたスポンジを取り、ささっと自分の体を洗っていく。

その間も飛田さんは、今度は器用にシャンプーを泡立てて私の頭を洗っていた。

もう、恥ずかしいとか緊張とか・・・よくわからなくなってきちゃった。

シャワーを頭のてっぺんから勢いよく浴びて、全身泡だらけだった私はさっぱりと泡を洗い流した。