Memories - 年の差恋愛 -

そんな涙も、私の頬を包んでいる飛田さんの指によって簡単にぬぐわれて。

「実は、泣き虫?」

ちゅっと唇に触れるだけのキスをしてから、私の顔を覗き込んできた。

「だって、私、怒らせちゃったのかと・・・」

急にどこかへ行ってしまうから、嫌われたんじゃないかとすごく不安だった。

「はは。お風呂にお湯をためてきたんだ。タオルも必要だろ?」

私の不安な気持ちを笑ったりせずに、温かく私を包み込んでくれる飛田さん。

ああ、よかった。嫌われたんじゃなかったんだ。

安心したら、涙がどんどんあふれ出てきてどうにも止まらなくなってしまった。

「泣き虫~」

再び、ソファで飛田さんに抱きしめられ、私は落ち着くまで飛田さんのシャツを涙で濡らしてしまって。

飛田さんも、そんな私の背中を優しくなでてくれながら、時折私の頭に優しいキスを落としてくれていた。

「さあ、佐智子ちゃん。お風呂冷めちゃうよ。・・・一緒に入る?」

ふわっと体が浮いたかと思った瞬間、飛田さんに抱きあげられていることに気がついて。

「やぁ、重いですから!」

突然のお姫様だっこにかなり驚きつつも、男の人に抱きあげられたことが恥ずかしくて。

重いのがばれちゃったよ!

お姫様だっこに憧れていたわけじゃないけど、こんなに恥ずかしいことだったなんて!